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〔作家インタビュー〕Chizuru Nagaoka

〔 作家インタビュー 〕

ジュエリー作家

Chizuru Nagaoka

イヴサンローランの庭園にあこがれて、18才の時に単身モロッコまで旅に・・・

そんな意外な行動力を持つ長岡さんのアクセサリー作りの原点はどこにあるのでしょう?

インタビューでいろいろ伺ってみたいと思います。

 

ジュエリー製作に進んだきっかけを教えてください。

私は大学ではインテリアデザインを専攻していました。

インテリアデザインも好きでしたが、金属や他の素材を使って、製作することにも興味がありました。ジュエリーは小さい頃から好きでしたね。

社会人になり、インテリア設計事務所で仕事をするうちに、やはり自分の手で何かを作り出したいという思いが強くなり、元々興味のあったジュエリーを学んでみようと思いました。

ジュエリー製作を始めた当初は、簡単に出来るものと思っていました。

しかし想像以上に難しく、また本来自分の中で完璧な物を世に出したいという気持ちがあったので発表するまで時間がかかったのですが、ようやく、2015年のNew Jewelry-PLUS-への展示販売に至りました。

天然石を使った、風景のように見えるアクセサリーに感銘を受けました。

使用することにしたきっかけなどありますか?

石を使ったネックレスは、“記憶の中の風景を身に纏う“というコンセプトで製作しています。

この作品はデンドリティックアゲートというとても趣のある石と出会い、そこから他にないものを生み出したいと思い、作品に使用することを決めました。

景色、花、の記憶を呼び起こす作品として表現しています。

お店に展示してあるデンドリティックアゲートのネックレスに使用している石は単体ではデンドライトと言います。

一見、風景のように見えるのは、実は水に溶け込んだ金属イオンが水晶やアゲートの割れ目に微細な粒となって沈殿したもので、樹木の枝状の形を時間をかけて造っていきます。

それは幻想的な風景をそのまま封じ込めてしまったかのような美しさをもっています。

それぞれの作品が世界に一つしか存在しないジュエリーですね。

それぞれの持っている表情がみんな異なるので、どれも一つ一つの異なった世界を感じる事ができます。

作品に使用する石を選ぶときは、この石はこんな人に似合うだろうなと、イメージしながら選んでいます。良い石との出会いが無いと作らない事もあります。

石の作品については奇をてらうものではなく、長く使ってもらえるものを作る事が出来ればと考えています。

少し飽きてしまっても、何年か後にまた思い出して着けてもらえるような・・

シルバーのフレームはメッキをせず、マットに仕上げています。その風合い、時間とともに変化する表情を楽しんで頂きたいです。

元々学んでいた、インテリアデザインからの影響は?

もちろん影響を受ける部分もあります。

私は庭園や植物の写真集や本が好きで、本で出会ったモロッコにあるイヴサンローランの庭園にあこがれて18歳の時に一人で行ってきました。

建築様式だとキュビスム建築が好きで、そこからイメージを生みだす事もあります。

絵画よりも建築やインテリアデザインに影響を受けているかもしれないです。比率の美しい建築やインテリアデザインに魅力を感じます。

哲学的であり、シンプルなものを目指しつつ、一点透視法から抜け出たバランスを崩すといった表現も私の共感出来る部分かも知れません。

また、インテリアで言うと、昔の家具のデザインを観るのは今でも好きです。

LIXILギャラリーは好きで機会があると行ったりしますね。

工業製品の歴史や、家具の展示であったり京大のコレクションなどとても興味深いです。

建築やインテリアデザインと同様に立体的なものが好きで影響を受けていると自分では考えています。

デザインの時にスケッチは書きますか?

とにかく描いてイメージしています。

花、植物のスケッチをたくさん描いていた時期もありました。

自然にあるものは、必然性があります。光合成をする為には光を受けないといけないので、葉っぱの付き方に規則性がありますよね。

私がデザインを行なう上では、その必然から、抽象物をインスピレーションして作品を作りたいと思っています。

今、取り組んでいる作品は?

七宝、シルバー、石を組み合わせて、どのようにデザインに落とし込んでいくか考えています。

他の素材も試してみたいですね。様々な表現に挑戦していきたいです。

デザインは、私の中では装飾的なものにする方が簡単だと考えていて、シンプルにする方が難しいものだと捉えています。

世の中にジュエリーはたくさんあるので、その中でも私のこだわりを表現することが出来ればいいな、と考えています。

このシルバーのリングも自分のイメージと合致するまで、納得ができるまで、何度も作り直します。

カーブであったり、大きさであったり・・・

自分が納得出来る、美しいものを生み出したい?

デザイナーとしてはもちろんそうですね。楽しさはもちろんありますが、生み出すのはとても大変です。

イメージを考えてそれを生み出そうというまで、葛藤があります。

他のジュエリーと類似しがちな部分もありますから・・・

実際に売れるものと私の理想はまた違ったりもするので・・・

 

長岡さんらしさの表現を大切にして作品を創作して頂きたいと思います。

Chizuru Nagaoka作品としてハウスカタバタのお店に展示していますので

読者の皆様にも是非ご来店頂きたいと思っております。

本日はありがとうございました。

HAUSKA TAVATA店長(左) 長岡ちづる(中央) HAUSKA TAVATAスタッフ(右)

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