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デザイナーインタビュー:鈴木 康史さん(株式会社バウハウス)


今回のHAUSKA TAVATAカルチャー発信、デザイナーインタビューは株式会社バウハウス(以降、バウハウス)のデザイナー、鈴木康史さんです。


鈴木さんの経歴を教えてください。

バウハウスに入社したのが2014年です。それまでは音楽の業界を経験したあと、眼鏡の仕事に携わり始めて、別の会社で10年ほど商品企画に携わっていました。


SOLID BLUEもHUSKY NOISEも、入社してすぐにデザインし始めたというよりは、いろいろな業務を兼務しながら営業等も行いつつ、徐々に引き継いだ感じです。この5、6年に関しては企画からデザイン、生産管理、品質管理など、商品に関することは僕が担当させてもらっています。


鈴木さんが企画、デザインされた眼鏡がそのまま商品になるというイメージでしょうか?

それともほかにも製品化までにフェーズがあるのでしょうか?

僕が「こういうモノが作りたい」という企画もあれば、営業のスタッフから「こういう商品が欲しい」という意見から生まれる商品もあります。総合的に意見をまとめたうえで、僕が図面などに落とし込み、「これは良い!」、とか「これは難しいかな」、など社内で話し合って絞り込みと修正を重ねながら進めています。最終的に商品化されるのは企画した中のひと握りで、自分で絶対コレが良い、という時は押しますけど、もちろん悩む時もあるのでスタッフの意見も取り入れながら進めています。


僕はもともとデザインの勉強をしていたわけでもなく、デザインの学校を出たわけでもないんです。興味はあったので趣味の範囲でデザインのソフトなどは使っていましたけど、音楽イベントのフライヤーとか簡単な資料を自分で作っていた程度で。

都内の大学を卒業して音楽関係の仕事をしていたのですが、家庭の都合で実家に戻るタイミングがあり、それを機に眼鏡の業界に入りました。

20代後半だったのですが、そこから眼鏡のつくりを学んで、眼鏡のデザインを覚えて今に至っているので、基本的には仕事をしながら覚えていきました。


ものづくりをしたいという気持ちはもともとあったと思います。レコード会社では宣伝の仕事をしていましたが、良い音楽を広めたい、という思いとともに、良い音楽を作りたい、という思いも強くあって、自分はアーティストではありませんでしたが、人の心を動かす音楽の制作に携わりたいなと思っていました。そういう意味では、ものづくりを通じて人や社会に貢献したいという気持ちは昔からずっとあったと思います。

音楽業界から眼鏡デザイナーへの転職だったんですね。音楽から眼鏡のデザインを想像することはありますか?

意識的に音楽からデザインを想像することはありませんでしたが、一時期、企画中の眼鏡にテーマソングみたいなものは自分でつけていた事はあります。この眼鏡はこの曲だな、みたいな。割とR&Bとかソウルとかの甘酸っぱい曲をテーマソングにしていました。(笑)

そのモデルの色決めだったり、玉型を書いている時はその曲をBGMにしたり。そういう時代はありましたね。


主にデザインは机にむかって書かれるのですか?

細かいデザイン修正や玉型を考えるときはそうですけど、基本的にはあまり「さぁ、デザインするぞ!」といってデザインする事はないです。締め切りがあるときはやりますけどね。(笑)


スケジュール的に発売予定日から逆算すると、いろいろと決めなくてはいけない期限があるので。特に色決めはかなり長期間に渡って悩み続けることが多いのですが、期限が迫ってくると、さすがに机に向かって頭を抱えながら作業しています。(笑)

デザインのアイデアとか、企画の概要などは日々の生活の中でパッと思い浮かんだり、ぼーっと考えているときに思いついたりする事の方が多いです。サウナでととのっている時とか、ランニングしているときとか。あと散歩しているときですね。

男性に向けたデザインのSOLID BLUEと、女性に向けたデザインのHUSKY NOISE、両方のデザインを手掛けられていらっしゃいますが、男性の鈴木さんがそれぞれのブランドのデザインで心掛けられていらっしゃるデザインのアプローチ方法などはありますでしょうか?

意外とアイディアが沢山浮かぶのはHUSKY NOISEの方なんです。SOLID BLUEは自分だったらもっとこう言うのが掛けたいとか主体的に考えられるのでそう言う意味では考えやすいです。

HUSKY NOISEはベーシックなデザインと言うのがベースにあるので、そんなに華美な玉型を作ることはないんですけど、その中でも玉型のデザインのバリエーションが沢山できる。どんどん「もうちょっとこうしたい」って書く回数が多いのは圧倒的にHUSKY NOISEの方です。沢山書いて選んでいます。基本的にHUSKY NOISEは自分で掛ける訳じゃないんですけどね(笑)


基本はベーシックな眼鏡なのでほかに無いってなかなか難しいんですけど、でもその中でもやっぱりほかに無いものって言うのは絶対にあるので、そこを求めている人っていうのは必ず居ると思うんです。

洋服でも小物でも自分が欲しいものって意外となかったりするじゃないですか。眼鏡ってなおさら選択肢がほかの商材よりも少ないと思うので、であれば「これが欲しかったんだよ」って思ってもらえるようなものを作りたいなと思っています。


SDGs(持続可能な開発目標)という言葉を最近よく聞きますが、鈴木さんがデザイナーとして、持続可能性について考えていらっしゃる事はありますか?

アパレルでも大量廃棄が問題になっていますが、ものづくりに携わる身としては、製品にしても製造過程にしても不必要なモノや廃棄物は少なくしたいですし、長く使えるモノを作りたいと思っています。また、最近は眼鏡に使用する材料も環境負荷の少ない材料を使用するようにしています。

たとえば、プラスチック素材のアセテートも、もともとパルプなど植物由来の素材なので、地球に優しい材料ではあるんですけど、可塑剤を変えるなどの改良を加えた、より土に還りやすい生分解度の高いアセテートを採用するようにしています。

ただ、問題なのが生地の種類が少ない事です。今後は増えていくと思うのですが、今はまだ限定された中で生地選びをしなくてはいけないので現段階ではちょっとそれが悩みです。


また、デモレンズや鼻パッドもエコな素材に変えていきます。いわゆるバイオマスプラスチックといわれる素材で、トウモロコシのでんぷん等の植物由来の材料を混ぜて作られていて、製造するうえで二酸化炭素の削減につながる材料を使っていきたいと思っています。

デモレンズはもともと捨てられてしまうものなので、使わないで済めば本当は良いんですけど。無いとフレームが歪んでしまい必要不可欠なので、捨てられてしまうのであれば地球に優しいものを使おうということで。機能としては表面にコートができなかったり、帯電防止剤が混ぜられなかったりと、いろいろと制限はあるんですけど、基本的にはエコなものを優先して採用していく予定です。


鼻パッドも今後は植物由来のポリ乳酸を100%使用したパッドに変えていきます。素材自体は以前からあったものなのですが、透明感に乏しく採用を躊躇していましたが、最近改良されて。

植物由来で地球に優しいうえに、透明感もあって、抗菌性も高くて、弱酸性で肌にもやさしい、という素晴らしいパッドです。

加えて言うと、メタルの素材に関しても、リサイクルチタンの採用も検討中です。

今後バウハウスで発売する商品は、できる範囲でそういった材料を採用していこうと思っています。

ただ、そういった材料は従来の材料よりもコストも割高なので、販売価格の設定に苦労していますが、お客様の理解を得ながら使っていきたいと思っています。

「ジェンダーレス」という言葉をよく聞きますが、男性向けと女性向けの眼鏡のデザイン、両方をされている鈴木さんから見て、今、または今後男性が掛けたい眼鏡、または女性が掛けたい眼鏡で変化して行きそうなところはありますでしょうか?

SOLID BLUEとHUSKY NOISEに関して言うと、今本当にジェンダーレスになってきていて、小売店の方の話を聞くと、HUSKY NOISEの商品を男性が買って行ったとか、SOLID BLUEを女性の方が買ったという声をすごく聞きますね。

両ブランドとも今までの歴史もありますし、急にジェンダーレスにしようという意識はそこまではないんですけどね。


購入されるお客さまの思考もジェンダーレスということですね。

自分なりに世の中の流れを汲んで商品開発をしているので、多少なりともその傾向が商品に反映している、というのもあるかもしれません。

一応、大きく分けると男性向けと女性向けという括りにはなりますが、男性っぽく作ろうとか、女性っぽく作ろう、という意識は薄れてきていると思います。

ただ、物理的なサイズとして男性の方が基本的に体が大きいじゃないですか、顔も。そういう意味では自然とSOLID BLUEの方が大きいサイズになって、小さいサイズがHUSKY NOISEっていう、そういうサイズ感は意識しています。

デザインを意図的に寄せているつもりはないですけど、女性の方がよく購入されるSOLID BLUEのモデルなんかもあります(SOLID BLUEモデルS-223)。スタッフでHUSKY NOISEのフレームを掛けている男性スタッフもいますよ。

SOLID BLUEモデルS-223 女性にも人気が高いデザイン


最後の質問になりますが、鈴木さんのお気に入りのバウハウスの眼鏡1本を教えてください。

1本と言われると困りますけど、個人的にはこの限りなくブラックに近いグレーが凄くお気に入りです。だけど、あんまり写真映えしないかも(笑)(HUSKY NOISEモデルH-194 Light Black/Gold

HUSKY NOISEのモデルH-193とH194は上品なバイカラーでまとめたメタルフレームで、ヨロイとテンプルに丸みを持たせて、カラーと形状でアクセントをつけたデザインです。眼鏡ってこういうパーツがメタルだと平面な部分ができてしまいがちで、どうしても金属感が出てくるんですけど、このモデルはメタルだけど柔らかい丸みのあるデザインに仕上げました

カラーリングの話をすると、この黒に見える部分は真っ黒ではなくて、黒に近いグレーなんです。結構深いグレー。なので、カラー名はライトブラック。ゴールドの部分もホワイトゴールドにしました。顔に乗せたときに眼鏡が主張しすぎないように、ゴールドとブラックでパキッと分けたくなかったんです。明るくて淡めのゴールドとブラック寄りのグレーで中間色同士を合わせて、全体を少し柔らかい雰囲気にしたカラーリングです。

ヨロイとテンプルの柔らかい丸みが特徴のHUSKY NOISEモデルH-194 Light Black/Gold(上)

HUSKY NOISEモデルH-193 Red/Gold(下)


HAUSKA TAVATAの営業担当の濱野さん(左)とデザイナーの鈴木さん(右)


マイスターの創る眼鏡

「材」「技」ともに知り尽くした眼鏡デザイナーが「画」を書き上げ、

眼鏡職人(マイスター)の熟練の「技」で、厳選した材を一本の眼鏡に作り上げる。

大げさではないデコレーションと、

マイスターの手仕事にこだわり、モノ作りを行っている。(株式会社バウハウスHPより)


ブランドSOLID BLUEとHUSKY NOISEの詳細はEYEWEARページからご覧頂けます。

HAUSKA TAVATA EYEWEARページ