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kikiki optique小幡泰久さん、小幡夕起子さんインタビュー


(上)モデル KOP-005 Astronomer Set Col. Navy、美しい惑星達を従え、軌道を操る天文学者のように

(上)モデル KOP-005 Astronomer Set Col. Navy、美しい惑星達を従え、軌道を操る天文学者のように


日常の中に潜んでいる魅力を見つけ出し形にする」をコンセプトに、彫金とジュエリーの町、御徒町(東京都)に拠点を置くブランド、kikiki optique(キキキオプティーク)を運営する、ご夫婦の小幡泰久さんと小幡夕起子さんへブランドインタビューを行いました。

 

ロストワックス鋳造などジュエリーの技法と、鯖江のメガネ作りの技術を組み合わせ、一本一本フレームの製造を行うブランドkikiki optiqueのブランドの成り立ちや、その想い、ものがたりの様なそのデザインのインスピレーション。その製造工程、そしてkikiki optiqueのこれからについてお伺いしました。

kikiki optiqueの小幡夕起子さんと小幡泰久さん

(上)kikiki optiqueの小幡夕起子さんと小幡泰久さん


アトリエを拝見させていただき、誠にありがとうございました。

はじめにブランドkikiki optiqueについてお伺いをしたいのですが、いつ、どの様にブランドをスタートされたのでしょうか?


小幡泰久さん(以下、泰久さん):実は最初はメガネを製造していませんでした。もともと妻はウェブデザイナーだったのですが、画面で完結するのではなく手を動かしてなにかを作りたいと、彫金教室に通い始めたのがきっかけでした。


私は建築の仕事をしていたのですが、そんな妻を見て面白そうだなと思い、自分も通い始めたんです。父がメガネ屋だったので、アセテートの端材などをつかって最初アクセサリーを作り始めたのがスタートでした。


小幡夕起子さん(以下、夕起子さん):御徒町はジュエリー作家の方がたくさんいるのですが、作品の差別化をするのに、アセテートなど自分たちならではの異素材と金属の組み合わせをできないかと考えていて。主人の実家がメガネ屋だったので、馴染みのあるメガネの素材を使ってみたらどうかと始めたんです。


その過程で、ちょうどコンビネーションフレームなどが流行していた時期に「この金属のブリッジをもっと可愛くできないかな」と考え、実際にそれを試してみようと思い立ちました。

小幡泰久さんのご実家のメガネ店

(上)小幡泰久さんのご実家のメガネ店


泰久さん:最初はアセテートを使ってアクセサリーやルーペを作っていました。御徒町の彫金の教室に通って習いつつ、鯖江で手作りメガネの糸ノコ教室を経験したら、道具も割と似ていることに気付きました。


夕起子さん:このチョコレートケーキのデザインのピアスは、アセテートがケーキみたいな生地だったんですよ。それでピアスを作ったり、アセテートを曲げてバングルを作ったりしました。この頃はまだkikiki optiqueにブランド名を変える前で、atelier kikikiという名前で活動をしていました。

atelier kikikiで製造をしたアセテートの端材などを使って製造したピアスとルーペ

(上)atelier kikikiで製造をしたアセテートの端材などを使って製造したピアスとルーペ


泰久さん:ルーペは猫のしっぽがナイロールの技法で留めていたり、ヤゲンもじぶんで手で掘り、結構メガネフレームを製造するときに使う技術を応用していたので、手作りメガネもできるかもしれないと思いまして。


夕起子さん:ちょうどその時に、minne(ミンネ)やCreema(クリーマ)など、オンラインのハンドメイドマーケットプレイスが盛り上がっている時期で、そこに製造をしたメガネを出品したら反応が良く、賞にノミネートしていただきました。こういうかわいいメガネは需要があるんだなと思い手応えを感じ、ブランド化に踏み切りました。


泰久さん:最初はメガネ業界ではなく、ジュエリーやファッションの方から入って行こうと思っていて。H.P.FRANCE(アッシュ・ペー・フランス)が運営をしているファッションとデザインの合同展示会rooms(ルームス)に2017年に出展したときに亀山アワードという賞(アッシュ・ペー・フランス専務取締役の亀山功氏より最も優れたクリエイティブ力と商品力を感じたブランドに贈られる貴重な賞)をいただきました。

2017年、合同展示会roomsで亀山アワードを受賞

(上)2017年、合同展示会roomsで亀山アワードを受賞


夕起子さん:ほかに例を見ないプロダクトアウトを評価していただいたのかもしれません。


泰久さん:しかし業界が違う展示会から販売に繋げるのはなかなか難しく、メガネの展示会に切り替え、SITE(サイト)(現在はIN GOT(インゴット))に初出展をしました。それが2018年です。


夕起子さん:それをきっかけにブランド名をkikiki optiqueに変更し、メガネの通販を一切やめました。メガネは試着が肝ですし、メガネ店でレンズを入れフィッティングをした上での完成品だとも感じていたので。

 

泰久さん:最初はメガネ業界に受け入れていただける自信もありませんでした。値段のつけ方もろくに分かっていなかったので。それでも個人店などで少しずつ取り扱っていただけて、その後は口コミやインスタなどで広まっていきました。


実際にジュエリーとメガネのものづくりの違いはなんでしょうか?


泰久さん:ジュエリーとメガネの違いは、やはりメガネは医療機器という事ですね。

 

夕起子さん:レンズを入れる前提で掛け心地や安全性など、配慮しなくてはならない項目がジュエリーの100倍(笑)くらいあります。自由度は低くなりますが、その中でどう表現するのかが面白いところだったりはしますね。ジュエリーだと結構なんでもありなんです。安全性はもちろん必要ですが。限られたパーツでどう遊ぶか考えるのが、自分たちに向いていたと思います。

 

アトリエで拝見をさせていただいたように、一本一本を製造をするのに多くの工程と技術がかかるkikiki optiqueのハンドメイドフレームですが、デザインのアイディアから完成に至るまでに実際どれほどの時間がかかりますか?


泰久さん:普通のメーカーに比べると、おそらく早いと思います。通常、半年ほどで完成させています。

 

夕起子さん:たとえば10月に展示会があったとして、アイディアが6月で、7月に詰めて…。

 

泰久さん:とくに妻はウェブデザイン出身なので、ポンッと思いついて、タグを打って、バッと出るじゃないですか。そのスピード感で物事を考えているので。

 

夕起子さん:ウェブは発注から納品まで1週間とか…。

 

泰久さん:スピード感が製造業に比べておかしいんですよ。とにかく何とかやってしまおうという気持ちが強いんです。


夕起子さん:普通のメーカーでしたら1年前くらいに発注が必要だと聞きます。それを考えると、私たちは金属加工を自社で行っているので、それもスピード感に繋がっているんだと思います。

アトリエで一本一本手作りでフレームを製造する様子

(上)アトリエで一本一本手作りでフレームを製造する様子

 

そのほかに、ジュエリーの技法をフレーム製作に使用することで、プレスなどの製造方法とデザインや製造の点で異なることはありますでしょうか?

 

夕起子さん:そうですね。kikiki optiqueのフレームは、手作り独特の「ゆらぎ」があります。手で磨いているので全く同じ製品にならないんです。そういう風合いも楽しんで頂ければと思います。

秋の新作モデルKOP-012 Mozu Balcony。繊細な花びらも表現されたアネモネのめしべにはジルコニアが装飾されている。

(上)秋の新作モデルKOP-012 Mozu Balcony。繊細な花びらも表現されたアネモネのめしべにはジルコニアが装飾されている。

 

泰久さん:工場でのプレスは量産する必要があるので、パーツに汎用性を持たせる工夫などが必要ですが、私たちは型ごとに違うデザインのパーツを付けられます。メガネの形をデザインしているだけではなく、ひとつひとつの型に対し「ものがたり」を作っているようなイメージです。

 

モデルKOP-012 Mozu Balconyでも、お客様がパーツのアネモネのめしべに、ジルコニアのほかにダイアモンドや天然石など、お好きなパーツを選ぶことができたりしますよね。kikiki optiqueのフレームは、工業製品というより工芸品という感じでしょうか。

 

夕起子さん:民芸品のほうが近いかもしれません。(笑)


民芸品までいってしまうのですね。(笑)熊の木彫りみたいになってしまいますね。

 

夕起子さん:工芸品やアート作品だと飾っておきたい感じですが、kikiki optiqueのメガネは民芸品のように普段使いしてほしいんです。

 

泰久さん:表現が難しいですね。工業製品の鯖江のメガネと、ハンドメイドの御徒町のジュエリーを融合させたハイブリッドという風に思っています。


日常の中に潜んでいる魅力を見つけ出し形にする」がコンセプトですが、どの様なものやことからデザインのインスピレーションが生まれますか?


泰久さん:子どもができてから遊び方も変わったんで、そこからアイディアが出ることは多いですね。子どものおもちゃとか絵本とかですかね。

 

夕起子さん:ガシャポン(カプセルトイ)とか見るのもすごい好きなんです。ひたすらミニチュアになるじゃないですか。商業施設に行くと毎回見ます。

 

泰久さん:蚤の市とか行くのも好きです。アンティーク品とか古い物は凝った作りですよね。アンティークのスプーンなど見て、こういうのを装飾で付けれないかなと思ったり。


ブランドをされていて一番大変なことはなんでしょうか?また、どのようなときに最も喜びを感じますか?


泰久さん:この前、町を歩いていて掛けている人がいたときは嬉しかったですね。

 

夕起子さん:そうですね。那須にSHOZO CAFEという私たちが好きなカフェがあるんです。オーナーの菊地省三さんが古民家を改装して作ったカフェで。まさにカフェ文化の先駆けのような存在で。

 

泰久さん:先日、家族で旅行で行ったときに、そこのカフェで買い物をしていたら、2階から降りてきた方がうちのメガネを掛けていて。好きなものは連鎖するんだなと思いました。そのときは嬉しかったです。

大変なことはクオリティーを保ち続けることですね。

 

夕起子さん:大変なことは、独特の製造方法なので外注に出せない作業が多いです。鯖江はもちろん製造業全体に言えることですが、人材確保も難しい世の中なので、それは大変ですね。

kikiki optiqueのフレーム製造の様子。鋳造時の湯口の処理を行なっている。

(上)kikiki optiqueのフレーム製造の様子。鋳造時の湯口の処理を行なっている。


秋の新作では自然のモチーフをメインに製作をされているジュエリー作家atelier mozuとコラボレーションをされています。今までも様々なコラボレーションをされていますが、今後もコラボレーションはされる予定でしょうか。

 

泰久さん:それは常に探しています。春の新作もたぶんatelier mozuと、アレンジした何かを出そうと思っています。私たちにないデザインやクールさがとても評判が良かったので。

atelir mozuとコラボレーションをしたモデルKOP-013 Mozu Garden Col. Moss Green

(上)atelir mozuとコラボレーションをしたモデルKOP-013 Mozu Garden Col. Moss Green

 

今後さらに挑戦されたい事やデザインはありますでしょうか?

 

夕起子さん:蝶番にこだわりたいです。各メーカーが掛け心地のために、バネ製のあるものなど開発していますよね。新しい開発は企業努力!私たちも掛け心地もさらに気に入っていただけるような開発をしっかりしていきたいです。

 

泰久さん:フルメタルもやりたいです。どこでkikiki optiqueらしいテイストにできるのかは難しいとは思いますが。


ブランドkikiki optiqueの立ち上げのお話から、ワクワクする今後のお話まで。

大変貴重なお時間を本当にありがとうございました。


次回(3/26)は、お伺いをさせていただきました御徒町のアトリエでのフレームの製造工程をご紹介いたします。

 

kikiki optique


「Realizeing Everyday Allure」

日常の中に潜んでいる魅力を見つけ出し形にする

お散歩で見つけたきれいなお花

街角に佇むカフェ

好きな道具で楽しむキャンプ

日常にあふれる宝物たちを身に着けられるかたちに

普段の生活に遊び心を

相反するように見えるモノたちを丁寧にデザインに落とし込みバランスを整える

長く愛されるように心を込めて作り上げる

「kikiki optique」はそんなメガネを作ります


ブランドホームページ:http://atelier-kikiki.net

X(Twitter):@atelier_kikiki

 

EYEWEAR CULTUREスタッフあとがき

お忙しい中インタビューにご協力いただき、またアトリエを訪問させていただき誠にありがとうございました。アイディアから原型の作製、そして実際に一本一本メガネを製造される所まで、一貫して御徒町のアトリエで行われており、アトリエ訪問は大変貴重な経験となりました。確実に一本一本のフレームにブランドの気持ちが込められているという事を感じました。アトリエはクリエイティブなエネルギーに満ち溢れており、日々インスピレーションが生まれている場所なんだと感じました。誠にありがとうございました。

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